みなさん、こんにちは猫丸です。
日々の暮らしの中で、誰でも犯罪の被害に遭遇する可能性を持って生きていますね。
不運にも被害者となってしまった場合、肉体的に傷つくのだけでなく、経済的にも前の暮らしに戻れなくなる可能性もあります。そのため国は精神的・経済的な負担の緩和のために、犯罪被害に遭われた方に対する給付金制度を実施しています。
しかし、警察庁のサイトに載っている情報は非常に分かりづらいです。いつも思うのですが行政の出す文章ってなんで分かりづらくするのでしょうかね。
このページでは、そんな制度をかみ砕いて、分かりやすいように解説します。
情報元 警察庁の公式サイト
https://www.npa.go.jp/higaisya/kyuhu/index.html
その他にも申請で貰えるお金を一覧にしました。記事最後にもリンクを貼っておきますので参考にしてみてください。
犯罪被害給付制度とは
犯罪被害給付制度とは、警察庁によると以下のように定義されています。
この制度は、殺人などの故意の犯罪行為により不慮の死を遂げた犯罪被害者の遺族又は重傷病若しくは障害という重大な被害を受けた犯罪被害者の方に対して、社会の連帯共助の精神に基づき、国が犯罪被害者等給付金を支給し、その精神的・経済的打撃の緩和を図り、再び平穏な生活を営むことができるよう支援するものです。
要約すると
①この制度の対象⇒亡くなった方の遺族、重傷や障害を受けた被害者
②国が被害者の生活を補償します
ということですね。
つまり、軽犯罪などの被害や物損などは対象外で、あくまでも心身に被害を受けてしまった場合の給付金であることがわかりました。
犯罪被害者等給付金の種類
この制度の対象は①亡くなった遺族、②重傷を受けた、③障害が残ったという3つでしたね。
そのため、給付金の種類も3つごとに分類がされています。
①遺族給付金
②重傷給付金
③障害給付金
という分けられ方をしています。これらの制度の詳しい説明は後程します。
給付金の額
給付金の額は、①被害者の年齢、②勤労による収入、に基づいて算出されます。
また労災や各種保険から補償金が支払われた場合は、その額が調整された形で支給されます。
つまり、給付金の額は個人によって大幅に異なるということです。
申請期限と申請する場所
犯罪被害給付制度の受付は、警察署で行っています。
申請手順については後程、各給付金ごとに説明します。
申請期限は2年です。
遺族給付金
残念ながら犯罪に遭われ亡くなられてしまった遺族に対しての給付です。
遺族給付金の給付額
遺族給付金は、
①亡くなられた方の収入
②扶養家族の人数によって算出されます。
(8歳未満のお子さんがいると加算があります)
・給付額は最低320万から最高2964万5千円まで大きな幅がありますが、満額が支給されたことはありません。収入の高い人ほど保険に加入しているので、保険金で相殺されています。
・平均の遺族給付金の額はたったの630万円しかないというデータがでています。これは給付額が収入によって決められているからです。収入のない子どもが事件で亡くなった場合の給付額は、最低金額となるからです。
亡くなった方が未成年や無職などで収入がない場合
現行の法律では、給付金の額は収入と生計を支えている家族の人数によって決まります。
未成年や無職の方が犯罪に巻き込まれ亡くなっても最低保証額の320万円しか貰えません。
どんなに将来有望で前途が明るい子どもでも収入がなければ最低金額です。
一方、交通事故では自賠責保険の保険金が遺族に支払われます。その額は3000万円です。これは亡くなった方の収入に関係がありません。任意保険を含めるとさらなる金額の上乗せとなります。
この事例を象徴するのが秋葉原の通り魔殺人事件です。トラックで轢かれて亡くなった方は自動車保険から数千万が支払われましたが、ナイフで刺されて亡くなった方は遺族給付金でせいぜい数百万のお金しか給付されませんでした。
同じ事件で亡くなられてもこのような差がでてしまうのです。
申請に必要な書類
以下の書類を揃えて警察署に提出します。
・戸籍謄本又は抄本
・住民票
・亡くなった方の収入で生計を立てていたという証明書類、保険など扶養がわかるもの
・収入がわかる書類
・医療を受けた後に亡くなった場合は、医療費の自己負担がわかる書類
別途、振込先の預金通帳などを書く紙が送られてきますので審査後にも手続きがあります。
重傷病給付金
犯罪によって重傷病の被害を受けた人に給付がある制度です。
重傷病給付金の額
①負傷、疾病に陥った日から3年間の医療費の自己負担相当額
②休業損害を考慮した額
①②を合算した額が給付されます。上限は120万円です。
上限金額も低いので、あくまでも医療費の補償という認識でいいかと思います。
重傷病とされる基準
重傷病とされる基準は以下の①と②の両方に当てはまる人です。
①療養の期間が1ヵ月以上
②入院3日以上
PTSDの場合は、②が3日以上働けない状態となります。
申請に必要な書類
以下の書類を揃えて警察署に提出します。
・保険証のコピー
・医療費の自己負担金がわかる書類 領収書など
・休業日の数を証明できる書類
・収入が証明できる書類
別途、振込先の預金通帳などを書く紙が送られてきますので審査後にも手続きがあります。
障害給付金
犯罪によって障害が出てしまった人に給付する制度です。
障害給付金の額
障害給付金の額は以下のような基準で決まります。
①被害を受けた人の収入額
②残った障害の程度に応じて算出
②の障害の程度については警察庁が1~14級までに区分しています。この区分の障害に当てはまった人が給付の対象となります。
警察庁の障害区分 https://www.npa.go.jp/higaisya/kyuhu/pdf/hankyuukinP7.pdf
- 障害の程度が1~3級の場合の支給額
最低1056万~最高3974万4千円 - 障害のレベルがそれ以外の場合
最低18万円~最高1269万6千円
警察庁の障害3級とはどれくらいの障害なのかが疑問となりますよね、障害3級は以下の通りです。
申請に必要な書類
以下の書類を揃えて警察署に提出します。
・収入を証明できる書類
別途、振込先の預金通帳などを書く紙が送られてきますので審査後にも手続きがあります。
障害を負った後の求職活動
犯罪の被害で障害を負った時に給付される障害給付金は一生涯を補償するものではありません。そのため、新たなステップへ挑戦する必要があります。
障害年金をもらいながら、障害者雇用で働くという選択肢が良いと思います。参考までに障害者雇用を専門に扱っている情報サイトのURLを貼っておきます。
外国籍の人の適用は?
日本に住んでいる、あるいは旅行中の外国籍の方が犯罪被害に遭遇することもあります。そんな時に犯罪被害給付金の対象となるのかも警察庁は情報を出しています。
この給付金が受け取れるのは日本国籍を有する人と日本国内に住所を有する人です。
つまり、日本に住民票がある居住者や留学生などの外国籍の方は対象ですが、旅行者は対象にならないといいうことになります。
犯罪被害給付制度まとめ
犯罪の被害を受けてしまった人への給付金の内容をみてきました。
支給金額をみてしまうと現行の制度では、全てのカバーをしているとは言えませんね。この制度だけに頼ろうとしたらだめだということがわかりました。そもそも保険料を運用している自動車保険や生命保険とは違うものという認識をしてください。
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